2023年使って良かったツール&サービス
ポッドキャスト「アシカガCAST」では、毎年年末に今年使って良かったツールをランキング形式で紹介する回をスペシャル的にやっています。しかし、昨年は年末にその時間が取れませんでした。とはいえ、候補はまとめていたので、まずはドキュメントとしてまとめました。ポッドキャストでもこの内容を話す予定です。2022年はツール編とサービス編に分けてそれぞれ5つ紹介しましたが、2023年はツール&サービスで10個紹介します。
1. Screen Studio
Mac用の画面収録ツール。レクチャー動画作成などのために画面を動画で収録するもので、操作に合わせてズームイン/ズームアウトを自動で行ってくれるのが特徴です。アプリケーションのメニューを選んでいるところ、文字入力しているところなど、ここ大きく見たいというところを拡大表示してくれます。しかも、滑らかにズームして、また全体画面に滑らかに戻って、と動きもいい感じなんです。
もちろん、自動では狙った通りにいかないケースもあるので、あとから手動で調整もできます。途中のいらない部分をカットしたり、再生速度を変えたりとScreen Studioだけである程度の動画編集もできて便利です。文字タイトルを入れたり、画像を追加したりはできません。これができるようになったら、レクチャー動画作成はScreen Studioだけで完結するケースが多くなるはずです。有料買い切りで、無料でお試しできます。
なお、ForcuSeeという類似のツールがあることを人に教えてもらい知りました。ForcuSeeはWindows版/Mac版両方あるので、Windowsの人はこちらをチェックしてみるとよいかと。
🎧 動画編集&スクリーン動画収録ツールの使い分け(第630回)
2. フリーボード
Apple純正のオンラインホワイトボードツールです。2022年末に登場したツールで、Mac、iPhone、iPadで使えます。ブラウザで使うツールではなくApple端末でしか使えないアプリなので、Miroと競合する感じではありませんでした。しかも共有も同期もいまひとつ安定していなくて、現状コラボレーションツールとしては今ひとつな印象です。
しかし、一人で使うツールとしてわたしは気に入っていて、iPadの無限キャンバスお絵描きツールとして活躍しています。2023年はマンガを描く機会が多かったんですが、Apple Pencil + フリーボードだとラフをスラスラかけてアイデアも浮かびやすいのです。個人的な相性なんだと思いますが、わたしにとってはなくてはならないアプリとなっています。
3. CapCut(パソコン版)
2021年の今年使って良かったツールでiPhone版を取り上げたんですが、今回はMac版です。FinalCut ProやPremiere Proはちょっとした簡単な動画編集には大げさなので、そんなときにピッタリなツールとしてCapCutを頻繁に使うようになりました。
完全無料で広告なども出ずに使えるところがありがたいです。音声から自動で字幕をつけたり、テキストを読み上げたりもできます。CapCutで作った動画は商用利用不可らしいので、そのへん注意が必要ですが。
4. Notta
音声から文字起こししてくれるオンラインツール。2023年に有料版を使い始めました。無料で使えるClova Noteと機能的にそんなに変わらりませんが、お金払ってるぶん月の制限が1800分と余裕があるので安心できます(Clova Noteは毎月300分まで)。Clova Noteではできないこととして、Dropbox上の音声ファイルのリンクから文字起こしできる機能と、Zoomの音声をリアルタイム文字起こしできる機能はお気に入り。
取材、セミナーやミーティングを録音したものの文字起こしに使ってたんですが、先日音声入力に使ってみたら精度が高くて驚きました。聞き取りやすくしゃべれば、99%くらいの精度で認識される印象です。
🎧 文字起こしツールnottaを有料プランで使い始めました(第679回)
5. Adobe Express
オンラインで使えるグラフィックツールのAdobe Expressが2023年リニューアルしました。Adobeはプロのデザイナー、クリエイター向けに画像編集、動画編集などのツールを提供していますが、Adobe Expressはそうじゃない一般の人向けのツールです。同様のツールとして先行しているCanvaをAdobe Expressを追いかける形になっている印象ですね。
わたしは人にオススメするという視点でCanvaとAdobe Expressを比較して使ってみていたんですが、一長一短あってどちらかに決められないと感じています。ただ、スライドショー的な動画作成において、わたしの用途ではAdobe Expressの方がいいなと感じたので、使って良かったツールとしてAdobe Expressを紹介しました。
🎧 Adobe Expressに追加されたAIとなくなったAI(第684回)
6. Obsidian
コスト削減という消極的理由からRoam ResearchをやめてObsidianに乗り換えました。MacでObsidianのデスクトップアプリをメインで使っていますが、iPhone、iPad用アプリも入れています。特に困ったこともなくすんなり移行できたんですが、PKM(Personal Knowledge Management)としては全くうまく使いこなせていないと自覚しています。
マークダウンで記述するノートツールなんですが、マークダウンを意識しなくても普通に使えるはずです。あるときiPhoneの検索でたまたまiCloud上のObsidianで作った文書がひっかかって、汎用のファイルがあるメリットとはこういうことかと気付かされました。
7. Stack Next SE
ずっと使っていたStackがアップデートしてStack Next SEになりました。SNSやWebアプリを登録しておいて、アプリを切り替えるように切り替えて表示できるMac版ブラウザです。開いたサイトを横に並べるだけでなく、横並びのセットを複数作って切り替えられるようになったのが便利です。
🎧 SNSやWebアプリはブラウザじゃなくStackで一元管理(第258回)
8. KREA
KREAはブラウザ上で使える画像生成AIツールです。画像生成AIはいろんなツールを試しつつも、今のところ仕事ではほとんど使っていません。KREAは次々と新機能を出してくるので、試すネタがいろいろあって楽しいです。
最近はリアルタイム生成機能が面白くいろいろ試しているんですあ、じゃあどう使うと便利と言えるのかがピンと来ていません。自分の描いた絵を学習させたモデルを作ることもやってみたんですが、良い結果は得られませんでした。
でも、そういった実験も無料でできるところが気に入っています。リアルタイム生成機能も含め、無料でも十分使えます。
🎧 画像生成AIに自分のイラストを学習させてみた(第689回)
9. MacWhisper
OpenAlの音声認識モデルWhisperをベースにしたMac用の音声文字起こしアプリです。ただ音声をテキストにするだけでなく、任意のテキスト部分の音声を聞くなどNottaやClova Noteのようなこともできます。一時期気に入って使っていたんですが、Nottaを有料で使うようになってから、こっちは使わなくなりました。
🎧 音声文字起こしツールMacWhisperが良さそう(第647回)
10. TVALnow
ビジネスにはほぼ関係ないですが、テレビ視聴率がリアルタイムで見られるサービスです。サービスと言いつつただのWebサイトで、ユーザー登録などもなく直近3時間の視聴率をグラフで見ることができます。
テレビ視聴率といえばビデオリサーチ社の調査によるものが一般的ですが、TVALnowはスイッチメディア社が独自開発した調査機器による世帯視聴率で、関東、関西、中京の3地区にわけて調査しています。
テレビを見て育ってきた世代ですし、テレビの視聴率は気になりますし、リアルタイムで視聴率がわかるのは今までなかった面白い体験です。年末の紅白歌合戦、年始の箱根駅伝と視聴率を見ながら楽しむという新たな視聴体験ができました。