テキストによる指示、または画像をベースとして3Dグラフィックスを作れるVoxCraftというツールを使ってみました。テキストプロンプトによって3Dを作る技術はいろいろと発表されていますが、無料で簡単に試せるものはあまりないと思います。わたしも初めての体験です。
VoxCraftはMidjourneyと同じように、Discordのコミュニティに参加してチャットで指示することで利用できます。
テキストプロンプトから3D生成
テキストでの「プロンプト」によって3Dを作れる機能ですが、今のところなんでも作れるというわけではなく「airplane/chair/car/table」から選ぶようになっています。ほかの人が作っているものが飛行機か車ばかりだったわけがわかりました。Discordのチャンネル上で生成するので、ほかの人が作ったものをプロンプト込みで見られますし、自分が作ったものも人に見られます。
「red classic car」で生成してみました。「car」は自動で最初に入ってるので「car red classic car」になってしまいました、人に見られると思うとちょっと恥ずかしいです。
作ったものがくるっと回る動画と、3Dモデルのデータをダウンロードできます。3Dモデルはobj形式でマテリアルファイル(mtl)とjpgかpngのテクスチャファイルがセットになっていました。
「まあこんなもんか」といった仕上がりです。AIの進化に慣れすぎて、このくらいでは驚かなくなってしまっています。
画像から3Dモデルを生成
次に、画像をもとに3Dを作ってみましょう。こちらは車や飛行機に限定されず、自由な形を作れるはずです。
わたしがお手伝いしているキャラクターデザイナー井上・ヒサトさんのポッペンポップというキャラクターをアップロードして作ってみたのですが、これは失敗しました。平面だけどちょっと厚みのある立体ができただけです。
陰影などがついた立体感のある元画像を使った方がいいうなので、わたしがお手伝いしている立体造形作家はっとりみどりさんのくまっこというキャラクターの羊毛フェルト作品の写真をもとに3Dモデルを作ってみました。はっとりさんの羊毛フェルト作品はなぜかAIとの相性が良くて、生成AIを使った実験などにも使わせていただいています。
これはなかなか可能性を感じさせる仕上がりです。ハイクオリティとは言い難いですが、ちゃんと破綻のない3Dにはなっているようです。
元画像には立体的な画像がいいのであれば、生成AIで3Dっぽい画像を作ってから、VoxCraftで本当の3Dファイルを作ってもらえばいいと考えました。
ClipdropのStable Doodleを使い、ラフな絵をもとに3D風画像を生成してもらいます。
今回使用した画像を生成したときのスクリーンショットを撮り忘れたので、以下は以前作ったときの画像です。
これと同じような感じの絵を描き「Cute green crocodile character,3D」で生成した画像を使いました。
完成した3Dの動画はこちら。尻尾が横から生えてしまっていますが、なかなかいい感じに仕上がっています。
可能性は感じたものの…
ということで、今回はテキストプロンプトによる3D生成、画像をもとにした3D生成を試してみました。
可能性は感じるものでしたが、人間がしっかりモデリングした3Dモデルのレベルにはまだまだ遠いことも実感しました。
生成AIで画像を生成し、さらに別なAIで3DモデルにするといったAIの組み合わせは面白いと感じました。絵が描けないという人でも、イメージを形にして3Dデータまで作れる時代がすぐそこに来ています。
3Dモデルのデータがあれば、3Dプリンターでプリントできますし、3Dグラフィックツールに読み込んで動きをつけられるなど可能性が広がりますね。
リンク
VoxCraft - Product Information, Latest Updates, and Reviews 2023 | Product Hunt
VoxCraft紹介ページ井上・ヒサトさんのホームページ
はっとりみどり フェルト&クレイ作家(キャラクター立体制作)
はっとりみどりさんのホームページ